2018/08/17

Think!

つい先日(大学に潜り込んで見せてもらったビデオでジョン・ベルーシが気になったのをキッカケにして)Amazonプライムビデオでブルースブラザーズを見たばっかりだったので、亡くなったというニュースが入ってきたアレサ・フランクリンの印象はまだ鮮烈に残っている。

アレサ・フランクリン、はなにしろ有名かつ歴史的な存在なので、十代の終わりか二十代のはじめごろに"お勉強"的にベストアルバムを借りたものだったけれど、いやもちろんそういう姿勢がまるきりダメというんでもないんだけれど、ことここに至って大事なのはそういうことじゃないんだ!とブルースブラザーズを見た後の私は言いたい。この声が聞こえてるか!ってことだよ。つくづく十代のうちから物事の核心をつかんでる人がうらやましい。いまだに私は自分を少しずつましにしようとあくせくしてるんだから。まいっちゃう。



さてあのなんだかガチャガチャした食堂のシーン(↑このサムネイル超かっこよくないですか!)、楽曲とパフォーマンスも最高なんだけど、なんていうか、「めちゃくちゃノリノリの人」と「ちょっと乗ってる人」と「食堂にいる人の演技をし続けている人」と「カウンターの上でサックス吹き出す人」が渾然一体となっている様子がすごい。
それもきちんと区分けされてるわけでもない(と思う)。
アレサの周りで歌って踊る三人組は始終踊っているものの、いわゆるミュージカル調に揃えたガチガチの動きをするのではないのがキュート(本業はコーラスの人たちなんじゃなかろうか)。また壁際のテーブル席で食事中の客たちが近距離に三組見えているところが面白くて、カウンター側から見て左の一組は基本的に囃し立てるぐらいの感じでだいたい常に音楽に参加しているのだが(立ち上がって踊ることもある)、真ん中はノリノリだったり食事に集中したりがまちまち、右の一組に至っては音楽スルーで完全に「食堂の客」芝居を続けており、一体どうしてみんなそんなに自由なのよ、という気持ちになる。
そしてそのレイヤーを行き来するのがブルースブラザーズの二人で、飄々とダンサーに加わったり端っこで小さくなったり成り行きをぼーっと眺めたりしているのが、最高にデタラメ。彼らがうろうろするおかげで、このシーンのフリーダムっぷりがビシビシ伝わってくる。で、このめちゃくちゃに一本筋を通しているのはひたすら音楽だ。曲終わりの"THINK!"が何しろかっこいい。見事なオチ。
ジョン・ベルーシもギター弾きの夫マット・マーフィーもおかみさんアレサももうこの世にいないのだけれども、この映像はいまもあって、これからも残るんだよなー…

で、このシーン(と、JBの教会で「バンドだ!」って文字通り天啓に打たれるところ。トランポリン最高。)見てて思ったのは、これ、俺の大好きなパラッパラッパーじゃん!ということなんですよ!
って2018年になって言い出す人間は他にいるんだろうか。
出来事の組み立てはあれこれ強引というかもはやそれ自体ギャグなんだけど、音楽がバッチリ道筋をつけ、かつそれぞれの温度感は全然バラバラで、ゆえに画面の端っこのほうまで生き生きしてる。自由。
ブルースブラザーズ、パラッパラッパー。ひとつの極として「愛嬌、デタラメ、音楽!」的な好み、めっちゃある。あらためて心に沁みいったっス。アレサ先生ありがとう。
(「詩、存在、沈黙…」みたいなテイストもまったく無関係というわけではなくて、実はちょうどひっくり返したところにあるのかもしれないね…)

あと全然関係ない話だけど、Think!っていい。いい命令形ですよ。
ともすると熱く"Don't think..."的な定型文で知ってか知らずか大事なことをごまかす心の働きってあると思うんですけど、いや考えろ!考えたほうがいいよ!あんたが私に何をしようとしてるか!って、ホントその通りだよね。考えます。こちらからは以上です。

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