2016/02/26

『30光年先のガールズエンド』、岸田戯曲賞の最終候補作品になる

 昨年4月に出演した『30光年先のガールズエンド』(上演台本・山本健介)が第60回岸田國士戯曲賞の最終候補作品に選ばれました。
http://www.hakusuisha.co.jp/news/n12250.html

 この賞は、簡単に言ってしまえば、演劇の世界の芥川賞みたいなもので、「若手作家の登竜門」的な賞です。
 戯曲にあたえられる賞ですから、結果がどうあれ、気楽なものですけれど(よくもわるくも)、いち出演者としては、こんなことやってるのかー、と思ってもらう機会としても、観た方に思い出してもらう機会としても、ありがたいことです。

 そして現在、この戯曲が受賞作発表日である2/29までの期間限定で公開されております。
→http://elegirl.net/jiensha/30ge_gikyoku/(現在リンク切れ)

 岸田戯曲賞、選評だけ読んでも面白いのですけれど、例年対象作品のほとんどが読めないので、作品に触れた上で選評を読む機会があるのはいいことだなと思います。

 気になったら読んでみて下さい。
 ぼくはこの作品の中の、砂川という役をやってました。

2016/02/13

サルでもわかる

 「サルでもわかる○○」という惹句がある。決まり文句というものは結局、決まりきっているからこそ、私たちのもとに届く頃にはすでに切れ味を失っている、と順を追って考えてみれば仕方のないことだけれど、それにしたってこれまで目にしたいくつかの例、「サルでもわかる超ひも理論」とか「サルでもわかる葬儀の新常識」とか、は真に迫った感じがしない。それって「超カンタン!超ひも理論」って言ってるのと同じじゃん、(しかもそっちのほうが語呂がいいじゃん、)ってことですね。
 だいたいわかったところでサルには役立たなさそうだから、サルも私もそのフレーズに惹かれないんだと思う。サルからしたら何で呼ばれたのかわからない。

 でもね、このあいだ地下鉄で「サルでもわかる金魚の飼い方」を読んでいる人がいて、これはなんていうかとってもよかった。字が読めるサルが図書館で本を借りてきて、ページをぺらぺらめくりながら山の奥まったところにある水たまりみたいな池で意外と立派な金魚を飼っている様子が目に浮かんだ。

 私の頭の中のサルは葬儀を出さないし超ひも理論とは永遠に平行線だけれど、金魚を飼うかもしれない。人によっては、頭の中のサルが喪服を着てお寿司を食べたりもするだろう。



 それにしても、現実に生きているカラスやワニがただ遊んでいる景色を好ましく感じるのは、なぜだろう。生きのびるために生きているのとは別の時間が動物にもある。