2014/04/11

ことしの桜

 髪をすっかり切ってもらって、夜に行くライブまで時間がだいぶあったので、あてのない散歩をした。目についた建物や樹木に沿って角をいくつも曲がっていると、突然あらわれた親子連れにTSUTAYA代官山書店の場所を聞かれたけれど、いま自分がどこにいるのか全然わからず、ひとまず代官山駅はあっちのほうですから、代官山駅に向かったらわかりやすいんじゃないか、あっちのほうです。と言うと、娘さんはスマートフォンを見ながら「合ってます」。
 そこに住んでいる人しか通らないような細い路地が気になる。覗き込むと、安心してプラスチックのバットを空振りする子供たちがいたり、ありふれた民家の玄関先にちいさめのヴィーナス像が置いてあったりする。こんな日には路地にもうっかり入り込んでいく。この桜の木の下を通り過ぎるとちいさな公園があった。二つのベンチにはそれぞれ先客が座っていて、なかなかよい公園らしかった。名前だけ覚えて、立ち止まらず通り過ぎることにした。



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